○三木町文化財保護条例

昭和58年3月26日

条例第8号

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第98条第2項の規定に基づき、法及び香川県文化財保護条例(昭和30年香川県条例第17号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、三木町の区域内(以下「町内」という。)に存在するもののうち重要なものにつき、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 三木町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

(文化財保護審議会)

第4条 教育委員会に三木町文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、教育委員会の諮問に応じて文化財の保存及び活用に関する重要事項について調査審議し、及びこれらの事項に関して教育委員会に建議する。

3 前2項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

(文化財の指定等)

第5条 教育委員会は、町内に存在する文化財(法及び県条例の規定により指定されたものを除く。以下同じ。)のうち重要なものを三木町指定文化財(以下「町指定文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定をするには、教育委員会は、指定をしようとする文化財の所有者若しくは権原に基づく占有者又は保持者若しくは保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)の申請によるもののほかは、あらかじめ当該文化財の所有者若しくは権原に基づく占有者又は保持者若しくは保持団体の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合はこの限りでない。

3 教育委員会は、無形文化財について第1項の規定による指定をするに当たっては、当該町指定無形文化財の保持者又は保持団体を認定しなければならない。

4 教育委員会は、第1項の規定による指定又は前項の規定による認定をするには、あらかじめ審議会に諮問しなければならない。

5 第1項の規定による指定及び第3項の規定による認定は、その旨を告示するとともに、当該町指定文化財の所有者若しくは権原に基づく占有者又は認定しようとする保持者若しくは保持団体の代表者に通知して行う。ただし、当該文化財の所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。

6 第1項の規定による指定及び第3項の規定による認定は、前項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

7 第1項の規定による指定及び第3項の規定による認定をしたときは、教育委員会は、当該町指定文化財の所有者(以下「所有者」という。)に指定書を保持者又は保持団体の代表者に認定書を交付しなければならない。

8 教育委員会は、第1項の規定による指定をした後においても、当該町指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足るものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。

9 前項の規定による追加認定には、第4項から第7項までの規定を準用する。

(文化財の指定等の解除)

第6条 町指定文化財が町指定文化財としての価値を失った場合、その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 町指定無形文化財の保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認られる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合、その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。

3 町指定文化財について、法又は県条例の規定による文化財としての指定があったときは、当該町指定文化財の指定は、解除されたものとする。

4 町指定無形文化財の保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき、又は保持団体のすべてが解散したときは、当該町指定無形文化財の指定は解除されたものとする。

5 第1項の規定による指定の解除及び第2項の規定による認定の解除には、前条第4項から第6項までの規定を、第3項及び第4項の規定による解除には前条第5項の規定を準用する。

6 前項の規定で準用する前条第5項の規定による通知を受けたときは、所有者又は保持者若しくは保持団体の代表者は、速やかに、当該町指定文化財の指定書又は認定書を教育委員会に返付しなければならない。

(指示又は助言)

第7条 教育委員会は、町指定文化財の所有者又は保持者若しくは保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その管理、保存又は修理に必要な指示又は助言をすることができる。

(所有者の管理義務及び管理責任者)

第8条 所有者は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、町指定文化財を管理しなければならない。

2 所有者は、特別の事情があるときは、自己に代り、当該町指定文化財の管理の責に任ずべきもの(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者は速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任したとき又は変更したときも同様とする。

4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。

(所有者等の変更)

第9条 所有者が変更したときは、新所有者は、旧所有者に対し交付された指定書を添えて、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。この場合において、変更が所有者に係るものであるときは、届出の際に指定書を添えなければならない。

3 町指定無形文化財の保持者が、氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したときは、保持者又はその相続人は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあっては、代表者であった者)について同様とする。

(所在の変更)

第10条 町指定文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者又は管理責任者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則の定める場合には、届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもって足りる。

(土地の所在等の異動の届出)

第11条 町指定文化財の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者又は管理責任者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(滅失、き損等)

第12条 町指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(現状変更等の制限)

第13条 町指定文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置をとる場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合はこの限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 教育委員会は第1項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し、必要な指示をすることができる。

4 第1項の許可を受けず、又は同項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わず、町指定文化財の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をした者に対しては、教育委員会は、当該行為の停止又は当該町指定文化財の原状回復を命じ必要な指示をすること、又は当該許可を取り消すことができる。

5 第1項の許可を受けることができなかったことにより、又は第3項の許可の条件を付せられたことによって損失を受けた者に対しては、教育委員会は、予算の範囲内でその通常生ずべき損失を補償する。

(環境保全)

第14条 教育委員会は、町指定文化財の保存のため必要があると認めるときは、地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止し、又は必要な施設をすることを命ずることができる。

2 前項の規定による処分によって損失を受けた者に対しては、教育委員会は、その通常生ずべき損失を補償する。

3 第1項の規定による制限又は禁止に違反した者については、第13条第4項の規定を準用する。

(標識等の設置)

第15条 所有者は、教育委員会規則の定める基準により、町指定文化財の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置するものとする。ただし、設置に要する経費については、町は予算の範囲内でその一部を補助することができる。

(公開)

第16条 教育委員会は、所有者に対し期間を限って、教育委員会の行う公開の用に供するため、当該町指定文化財の出品を勧告することができる。

2 教育委員会は、第1項の規定により町指定文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該町指定文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。

3 教育委員会は、所有者又は保持者若しくは保持団体に対し、町指定文化財の公開を、町指定文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。

4 第1項の規定による出品のために要する費用は、教育委員会の負担とし、前項の規定による公開のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を教育委員会の負担とすることができる。

5 第1項又は第3項の規定により出品し又は公開したことに起因して当該町指定文化財が滅失し、又はき損したときは、町は、所有者に対し、その通常生ずべき損失を補償する。ただし、所有者の責に帰すべき事由によって滅失し、又はき損した場合は、この限りでない。

(補助金の交付等)

第17条 町指定文化財の保存、管理又は修理につき特に必要と認める場合には、町は、予算の範囲内で所有者若しくは管理責任者又は保持者、保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対して、補助金を交付することができる。

2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会はその補助の条件として、保存、管理又は修理について指導及び助言することができる。

3 第1項の規定による補助金を受ける者が、次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、町は、当該補助金の全部若しくは一部を交付せず、又は当該補助金の交付を受けた者に対し既に交付された補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。

(1) 町指定文化財の保存、管理又は修理に関し、この条例又はこの条例に基づく教育委員会規則に違反したとき。

(2) 交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。

(3) 第2項に規定する補助の条件に従わなかったとき。

(調査、報告)

第18条 教育委員会は、必要があるときは、所有者若しくは管理責任者又は保持者若しくは保持団体に対し、町指定文化財の現状又は管理若しくは修理又は保存の状況につき報告を求めることができる。

(委任)

第19条 この条例の施行に関し、必要な事項は教育委員会規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

三木町文化財保護条例

昭和58年3月26日 条例第8号

(昭和58年3月26日施行)