下水道は私たちの快適な生活やかけがえのない環境を守るために、毎日活躍しています。しかし、この下水道も正しい使いかたをしないと、悪臭が発生したり、処理されていない汚水が川や海に流れ込むこととなります。下水道に接続したからといって、どんなものでも流していいということではありません。下水道は、みんなで使用する公共の財産です。
　下水道を使う一人ひとりがマナーを守って上手に使いましょう。

• 台所の油やゴミは流さない
  
  　台所から出る野菜くずや残飯、つま楊枝やビニール片などを流すと排水管や下水管が詰まり悪臭や排水不良の原因となります。
  　また、油類を流すと排水管に付着し、次第に固まって詰まる原因となりますので流さないでください。
  　ディスポーザ（食品くず処理機）も詰まりの原因になりますので、使用しないようにしましょう。ディスポーザの設置を希望する場合は、規格適合評価を受けている、生ごみを処理槽で処理するタイプのものを設置し、適切に維持管理を行ってください。このほか、高濃度の薬品類を流すと、排水管を溶かしたり、下水処理を困難にしますので流さないでください。
   
• 水洗トイレには溶ける紙を
  
  　水に溶けやすいトイレットペーパー以外のティッシュペーパー、紙オムツや生理用品、タバコやガム、ビニールなども流すと詰まりの原因となりますので、流さないでください。
  　節水型便器を使う場合は、節水しすぎて汚物を流すための水量が足りず、汚物が排水管内で止まってしまうことがないことを確認してください。
  
   
• お風呂場や洗面所では
  
  　髪の毛や石鹸などの固形物を流すと、排水管が詰まる原因となります。
  　排水口の目皿の上にたまった髪の毛などは、不用となった歯ブラシなどで取ると、衛生的に簡単に取ることができるのでこまめに取るようにしましょう。
  
   
• 洗濯の際には　
  
  　洗濯用洗剤は無リンの洗剤を使用し、洗剤の使いすぎに気をつけましょう。有リン合成洗剤に含まれる有機リンは、処理場や浄化槽で処理することが難しいため、河川や海を汚す原因になります。
  
   
• アルコールやガソリンは流さない
  
  　汚水ますやマンホールのふたを開けて、ガソリンやシンナー、アルコールなど揮発性の高い危険物を流すと、管の中で爆発したり管を損傷するなど大事故につながりますので、絶対に流さないでください。
  
   
• マンホールやますにゴミや土砂を捨てない
  
  　マンホールはゴミ箱ではありません。マンホールは下水管の点検や修理をするためのものです。
  枯葉や土砂などのごみを捨てないでください。
  
   
• 灯油を絶対に流さない
  
  　下水処理場では、微生物に汚れを食べさせることで汚水を浄化しています。灯油を流すと、この微生物が弱って処理能力が低下してしまいます。また、灯油は管の中で爆発を起こす可能性があります。灯油を絶対に下水道に流さないでください。
   

下水道に油やゴミを流すと…

↑（左）油や固形物が蓄積したマンホール内部　（右）油や固形物がない状態

　台所やトイレ、風呂場等から野菜くずや廃油、あるいは水に溶けない紙などを流されますと管が詰まり、下水道が使えなくなるばかりでなく、時には汚水の吹き上げにもつながることがあります。

　特に、油成分は下水道管の中で冷やされ、管の内面に付着して断面積を狭め、管が詰まる原因となります。

　また、終末処理場では「微生物が汚れを分解する働き」を利用し、水をきれいにしていますが、廃油や濃縮洗剤、ペンキなど微生物にとって有害なものを流されると、微生物の働きを弱くしたり、または、死滅させることになり、処理水質の低下につながります。最終的は河川や海の環境を悪化させることになります。

↑（左）下水道内の固形物　（右）下水道内の固形物が塊となったもの

　上の写真は下水道管やマンホール内で油や、固形物が固まったものです。油が冷えて固まると悪臭の原因にもなります。
　油は絶対に流さずに、新聞紙などで吸い取って固めて可燃ごみとして処理しましょう。また、油を大量に使う飲食店の皆さまは、油脂阻集器（グリーストラップ）を必ず設置し、適正に維持管理してください。

下水道への早期接続を

　下水道は家庭や事業者から排出される汚水を、きれいにして自然に返すことが役割です。この役割は、皆さまが下水道へ接続することによってはじめて働くこととなります。水の環境、土の環境を守るため、また皆さまの地域の生活環境の改善のためにも、下水道が使えるようになった区域で、未だ下水道に接続されていない方は、早期に下水道へ接続するようお願いします。