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マダガスカル通信 vol.1

政策課 : 2023/05/19

Manao ahona!(こんにちは!)

 Manao ahona!みなさん、はじめまして。道官丈晴といいます。私は三木町役場に勤務する職員ですが、現在はJICA海外協力隊としてマダガスカルで活動しています。どうぞよろしくお願いします。
 
 冒頭で書いた「Manao ahona」は、マダガスカル語で「こんにちは」という意味です。現地の公用語はマダガスカル語とフランス語ですが、日常のあいさつでは「Manao ahona」がとてもよく使われます。2022年7月末にマダガスカルへ来て、あっという間に半年以上が過ぎました。半年も過ぎると停電と断水を繰り返す不便な生活にも慣れ、たくさんの驚きや発見が見えてきました。ここマダガスカルでのおもしろい発見や魅力について、これから紹介したいと思います。


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JICA海外協力隊について

 JICA海外協力隊は日本政府のODA予算(※)によって、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する事業です。開発途上国の国づくりに協力するため、現地の人々と生活を共にし、同じ目線で地域の課題解決のための活動を行う人材派遣を行っています。金銭やモノの支援ではなく、「人的支援」として実施する国際協力の一つとなっています。

※経済協力のための諸施策を実施するために必要な経費

マダガスカルってどんな国?

 アフリカ大陸の東側に位置する世界で4番目に大きな島マダガスカル。到着したとき、飛行機から見下ろすと一面に赤い大地が広がっていました。初上陸のアフリカに緊張しましたが、どことなくアジアの雰囲気も漂う不思議な感じがしました。かつてフランスに統治されていたので、公用語として学校でフランス語を学び、日常生活でもラジオやテレビ、商品の値段や電話番号を伝えるときの数字などでフランス語を聞くことが多いです。

 首都を含め、国土の大部分が標高1,000メートルを超える高地に位置しており、暑いアフリカのイメージとは違って、私の任地でも夜に布団をしっかり被らないと寒くて寝ることができません。
 また、マダガスカルに生息する約80%もの動植物が「固有種」であると言われており、巨大なバオバブの木をはじめ、たくさんの種類のキツネザルやカメレオンなどが生息しています。その一方で、マダガスカルは最貧国の一つと言われており、国民の約80%が一日1.9ドル以下で暮らしています。

◆マダガスカルについて
面積:587,295平方キロメートル(日本より大きい!)
人口:約2,843万人(2021年)
首都:アンタナナリボ
民族:アフリカ大陸系、マレー系、部族は約18
公用語:マダガスカル語、フランス語
宗教:キリスト教、伝統宗教、イスラム教
通貨:アリアリ(Ariary) 1アリアリ=約0.03円


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日本とよく似ている?

 ここまでの説明を見ると、日本と全く違う国のようですが、実は似ているところもたくさんあります。マダガスカルでは、インドネシアやマレーシアなどの東南アジアの島しょ部から渡ってきた民族とアフリカ人の血が混ざり、アジア人のような顔つきの小柄な体型の人をよく見かけます。控えめな人(意見をはっきり言わない)も多く、日本と似ているなぁと思うことが多々あります。

 また、マダガスカルも日本と同じくお米が主食で、毎日お米を食べます。マダガスカル語で米はVary(ヴァリ)、おかずをLoka(ロカ)と言いますが、典型的な食卓を「たくさんのお米(ヴァリ)にちょっとのおかず(ロカ)」と表現し、びっくりするほどの山盛り白飯が出てきます。子どもや女性を問わずマダガスカル人がお米を食べる量にいつも驚かされます。なんとマダガスカルのお米の消費量は日本の約2.5 倍だそうです。一方で、おかずの材料は値段が高いので、たくさん食べられないという事情もあるのだと思います。


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任地について

 私の任地はSoavinandriana(ソアヴィナンジーナ)で、首都のAntananarivo(アンタナナリボ)から西へ140km、車で5時間ほどの街になります。首都とは違い、大きな建物やスーパーマーケットもない、のんびりと落ち着いた地域です。ここに住む人たちは、気さくで親しみやすい人が多く、大人も子どもも見慣れない外国人に対して、手を振ってくれたり、話しかけてきたりします。また、街の中の移動手段はティキティキと呼ばれる三輪自動車で、このティキティキが忙しく道路を行き交う活気のあるところです。


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住居について

 マダガスカルの中でも比較的治安の良いとされる地方都市でも、スリや空き巣などの軽犯罪はとても多く、日ごろから警戒心を持って行動しなければなりません。私が住むアパートも様々な防犯対策が施されており、玄関から寝室に至るまでには3つの鍵付き鉄扉が設置されています。また、電気も水道も設置されていますが、いつも使用できるわけではありません。毎日、貯めた水をコンロで沸かしてバケツに入れ、カップですくいながら体を洗っています。


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配属先と活動について

 大学の分校にあたる「ソアヴィナンジーナ高等学院」に勤務し、大学生や大学周辺の農村住民を対象として、日本の農村地域開発手法である「生活改善運動」の普及を目的とした授業やワークショップを実施することが主な活動です。また、日本文化の紹介も行っており、三木町の踊りや日本の童謡なども現地で紹介しています。

 現在、約1,800人の学生が在籍していますが、深刻な教室不足に悩まされており、急ピッチで新たな校舎等の建築が進められています。また、現地は電気や水道といった公共インフラが十分に整備されていない地域で、太陽光パネルや井戸水などによる給水設備を設置して大学運営をしているので、常に電気と水不足に悩まされています。しかしながら、このような環境の中でも学生たちは常に向上心を持って学んでおり、感心するばかりです。


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Profile

◆執筆者について
出身:三木町
隊次:2022年度1次隊(2022/4〜2024/3)
職種:コミュニティ開発


政策課 広報統計係
〒761-0692 香川県木田郡三木町大字氷上310番地
Tel:087-891-3302

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