歯科医院を開業して40年

　三木町氷上で、小さな子どもからシニアまで幅広い世代を対象に、日ごろの口腔ケアの重要さについて、また予防と管理の必要性を重視し、治療後のメンテナンスなどを積極的に行っている歯科医師の十川（そごう）和彦さんにお話を伺いました。

8020診療所をめざして

　開業は、昭和５８年（１９８３年）。

　当時の歯科医療では、子どもから大人までむし歯や歯周病が多く見られたため、早くから予防を主体としたフッ素塗布やフッ素洗口、ブラッシング指導に力を入れ、診療室では歯科衛生士による個々の状態に応じた「プロフェッショナルケア」に積極的に取り組んできました。

　時代は進み、平成元年（１９８９年）には、８０歳になっても２０本以上自分の歯を保とうと「８０２０（ハチ マル ニイ マル）運動」が始まり、令和４年時点での達成率は５１．６％（日本歯科医師会公表）で、およそ２人に１人が実現できているという結果が出ました。
　このことから、現代人の “歯„ に対する健康意識の高さがうかがえます。

口は、健康へのfirst step

　日本は健康寿命が世界一の長寿社会を迎え、人生１００年時代といわれるようになりました。

　「『一生自分の歯でおいしく食べることができる人生を送りたい』と多くの人が願います。健康寿命を延ばすためにも、毎日のこまめな口腔ケアがとても大切です。」
　と先生はおっしゃいます。

気軽に相談できる「かかりつけ歯科医」を

　近年の歯科医療は、核家族や少子化、家庭での予防により子どものむし歯の数は減少していて、高齢者の治療や口腔ケアにスポットが当たっているといわれます。

　中には一人暮らしの高齢者や施設に入所している人からの診療の要望もあり、十川歯科では一般診療とともに、訪問診療も要望に応じながら行っています。来院歴のある患者さんの場合は、ある程度の生活背景や過去の診療記録を把握しているので、治療機材の制限はあるものの、適切な診療や保健指導を行うことができるといいます。

　また、かかりつけ医が診療を行う過程で、より専門的な医療が必用な場合は、専門の設備が整っている医療機関に患者さんを紹介し、必要な医療を提供する「病診連携」という仕組みがあります。

　「今後は町内の各医院がそれぞれの特色を出しながら、患者さんにとっての身近な『かかりつけ歯科医』として役割を果たしていきたい。」
　と、心のこもったお話を伺うことができました。

患者さんへの思いを熱く語る十川先生（左）

仕切られた診療スペースで気がねなく受診

手すりやスロープを設置した、誰でも利用しやすい玄関

Information

十川（そごう）歯科診療所　三木町大字氷上４番地１
【電話番号】８９８ー６１２１
【診療時間】９：００〜１２：３０、１４：００〜１８：００（土曜日は１７：００まで）
【休診日】日曜日、祝日、木曜日