- ホーム
- これからの牛乳
これからの牛乳
こんにちは、元地域おこし協力隊の芳田です。今回は、酪農家のワイディエフさんにお伺いしました。
ワイディエフは、昨年度、香川県畜産共進会の牛の品評会で乳用牛部門の農林水産大臣賞を受賞されました。なんと今までにも5回受賞されているということで、その秘訣はどこにあるのか?社長の山田さんにお話を聞かせていただきました。

牛のミルクができるまで
ワイディエフにいる牛たちは、6割ぐらいは自家育成の牛たちです。搾乳する牛、乾乳中の牛(出産前に乳房を休ませる)で80頭ほどがいます。
搾乳は、「ロータリーパーラー」という機械設備を使っていて、一度に16頭の牛の搾乳ができます。メリーゴーランドのように、牛が立っている床が回転するので、人はあまり動かずに作業できます。搾乳は、毎日朝5時半から2時間、昼15時半から2時間の1日2回です。

ホルスタインの妊娠期間は280日で、牛が生まれてからミルクを生産できるようになるまで3年もかかるそうです。ワイディエフでは、岩手県の牧場に1年半ぐらい預けて放牧させて、出産の2~3カ月前に帰ってきます。1頭につき、本当は5~6産くらいしたいけれど、実際、香川県では2.7~2.8産くらいだそうです。牛が事故や熱中症など病気になることも多く、酪農の課題となっています。
なにげなく飲んでいる牛乳が、こんなに貴重だったなんて・・・
牛への愛
牧場は社長と奥さん、牧場長である弟さんの3人で運営していて、社長の山田さんは酪農家になって30数年ぐらいになるそうです。
「自分の好きな牛だけを扱いたい」という想いで、自身が愛情をかけられる牛を育てられています。
自慢の牛の動画をみせてもらったのですが、その時の山田さんのキラキラした顔がとても印象的でした。
品評会については、「見た目と能力の両方を満たすのは難しい」「どの牛を出しても受賞できるようになりたい」とお話してくださいました。直接言葉には出さなくても、牛にかける愛情の深さがうかがえました。
毎日の食生活に牛乳を
牛乳は、三大栄養素はもちろん、カルシウムなどのミネラルやビタミンが豊富に含まれます。ただ、日本人の9割が乳糖不耐症と言われていて、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするなどの症状が出る人も多くいます。その要因となるのが、「ベータカゼイン」というたんぱく質のA1型です。A1型とA2型があり、通常の牛乳には混在していますが、A2ミルクはA2型のみを含んでいて、お腹にやさしい次世代型の牛乳として世界的に注目されています。
山田さんは、「100パーセント自家産の牛で、A2ミルクを生産したい」と今後の展望を教えてくださいました。
また、たい肥作りにも取り組んでいて、循環型農業に貢献されています。秋には田んぼにたい肥を入れる需要が多いそうです。 高齢化や人材不足、飼料の高騰等、厳しい状況のなかで、これからの酪農を考えて積極的に活躍される農家さんがいて、とても心強いです。おいしい牛乳で栄養をとり、米や野菜作りにたい肥を活用するなど、地域の産業も支え合い、連携していけたらいいなと思いました。
三木町産のA2ミルクが飲める日も楽しみです。
普段なかなか触れる機会のない、畜産の世界について知り、考える良い機会になりました。ありがとうございました。

🐮写真は牧場長である弟さん
執筆者
三木町町民Reporter 芳田 裕美
三木町に移住して、農業やヤギの魅力にはまり、米や野菜を作ったり、カフェやキッチンカーをしながら、地域の魅力を発信しています。白山が好きです⛰
〒761-0692 香川県木田郡三木町大字氷上310番地
Tel:087-891-3302